センシティブ♥ボーイ
第5章 佐藤のメガネ
鈴木くんはさっきまで絶対に機嫌が悪かった。
今は直っているみたいだけど。
きっと機嫌が悪かった原因は僕だ。
僕が仲良しだと言われて喜んでいたところは、多分聞かれていなかったと思う。
僕が、鶴橋くんと話したせいだと、確信したはずだったんだけど…
「……なんの、話してんの…」
お前、まさか…
なんて、信じられないような瞳でぼくを見つめてくる。
「だ、だって……鶴橋くん…鈴木くんの大事な友達だから…だから、僕と話してるの見て、その…気分を害したんじゃないかって…」
「……。」
「鈴木くん…?」
「お、おまえ…なんでキス……ほんっとうに意味、分かってねーの?」
「え…あの…意味って…」
「はぁ~~~俺の…――――っ」
ぼそぼそと何かを呟いた鈴木くんの顔は、真っ赤だ。
どうして?
何か僕言ったかな…
今、なんて言ったんだろう
もう一度鈴木くんと名前を呼ぶと、
「う、うるせーな!
ツルとは勝手に喋れよ!!
お前は学校では絶対メガネだけは外すなよ!あと、誰にも触られんなよ!!
そんなことしたら、バラすからな!!」
と言って、屋上から出て行ってしまった。