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俺の愛した女

第12章 冴木みなみの話

英治は、企画部でもエース的存在だったし、社内でもファンがいるほどのイケメンだった。

例外になく、私も密かに素敵だなって思っていた。

だけど、私には当時恋愛どころではなかった。

学生時代から付き合っていた彼氏が浮気をしたのをきっかけに、長すぎる春に終止符を打つかのように別れを切り出した。

最初こそ、別れたくないと言っていたけど、自分が悪かったと身を引いた。

でもその後から始まった、非通知の電話。
デタラメな宛先からの贈り物。
仕事帰りや出先で感じる視線。
いつ撮影したのか、ベッドで裸で男と眠っている私の写真まで送られてきた。

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