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俺の愛した女

第3章 彼女の事情

彼女は、比較的自分のことを話したがらない。

俺もまた、彼女の家庭には何の興味もなかったと言ったら嘘になるが、
うっかり旦那との惚気話なんて聞かされたら、道行く関係ない車を3台ほど破壊してしまいそうだ。


彼女は、料理が好きでいろいろ詳しかった。
一人暮らしの俺は、彼女のアドバイスで自炊をすることもあった。

約束して同じものを作った日は、一緒に食事をしてる気分になってウキウキしたり、
旦那も食べてるのかと思い付き落胆したりしていた。


本当に彼女は、俺の生活の一部になっていった。


だけどある時、彼女と連絡が取れなくなった。

自分からは電話することはできない。

とりあえず、メールをして待つことしかできない。

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