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俺の愛した女

第18章 俺の日常

彼女が残したのは、それだけではなかった。

【旦那のところに戻ります】
そう書かれたメモも置いてあった。

俺は直ぐに彼女のマンションに向かった。
セキュリティのしっかりしたその建物に入ることはできなかった。

できたとしても何ができるのか…

俺の中で2つの思いが駆け巡る。
《彼女は俺のためにまた無理をして、身を引いたんだろう。早く助けてやらないと》

《彼女は今の生活に限界を感じて、俺と居るよりも旦那を選んだんだ》


彼女を想う気持ちとは裏腹に、
弱さを取り戻し、ヘタレで自己保身に走る俺が顔を出し始めていた。

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