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小春食堂【ARS】

第40章 再会【小春】

ランチタイムも落ち着いた頃、店の戸が開いた。

「いらっしゃいませ!」

振り向くと、そこにはあなたがいた。

もう、夢が現実かわからない。

生きてるのか死んでるのかすらわからない。

あふれる言葉がいっぱいあるはずなのに、しまいこんだ言葉がいっぱいあるはずなのに、それはひとつも出てこなかった。

「う、うちは日替わり定食だけやけど、いいですか?」

初めての客さんに必ず言うひとこと。

それを発するのが精一杯やった。

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