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conqueror

第1章 初日

部屋の中は、カーテンが閉まっているせいで、薄暗かった。

彼が電気のスイッチを探して、明かりを点けた。

少し明るく感じたのか、すぐにボリュームを落として、中へ入っていった。

私は後ろに続くように、部屋の中へ入った。

彼は、TV台のところで立ち止まり、ポケットに入れていた財布と携帯を置いた。

それから、指から指輪も外して置いた。

私は、自分が持っていたカバンを床に置いた。

どうすればいい?

そんな表情を浮かべて、彼を見た。

私の視線に気付いた彼は、低いけれど、よく通る声で言った。

「そのまま、こっちへ来て。」

彼は、ソファに腰掛けていたので、私は彼のところへ近付いた。

彼の隣に座ろうかと、戸惑っていた。

すると、彼に引き寄せられて、私は彼の前に座り込んだ。

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