テキストサイズ

conqueror

第5章 拘束

地下鉄の階段を上がると、暖かい日差しが差していた。

今日は、いつもと違う駅での、待ち合わせだった。

通りを少し歩いて、彼の車を探す。

何組かの観光客とすれ違う。

観光するのに、ちょうどいい季節になったなぁと、ぼんやり考えていた。

道の横にハザードを出した車が、停まっていたので、小走りした。

ワンピースの裾が少し揺れたけれど、今日は大丈夫。

この間と違って、普通に下着も着けていたから。

「今日のお仕事は、こっちの方だったんですか?」

「うーん、まぁ、そんなとこかな。」

なんだか、曖昧な返事だった。

でも、彼は自分のことは、何も話してくれないし、私も聞こうとは思っていなかったから、それほど気にしなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ