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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第28章 幸せはどこにある【翔】

「相葉くん、晴れたよ。見て?」

「本当だね、翔ちゃん!」

俺たちは、窓から顔を出して空を見上げる。

「昨日はあんなに降ってたのにね。」

街路樹の葉から落ちる滴が、日の光に反射してキラキラしている。

それをながめる相葉くんの顔も、キラキラと晴れてきた。

「翔ちゃん、今日はどこ行こっか。」

「そうだね、どこに行こうか…。」

そよそよと風が吹いて、相葉くんの髪をさらさらとなでる。

どこかに出かけなくても、

窓からの光と風を感じているこのときが、心地いい。

きっと、

幸せってそんなものかも。

【幸せはどこにある・翔】

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