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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第32章 桜と松【潤】

朝起きると、水差しを片手にベランダに出る。

「おはよう。今日もいい枝振りだね。」

俺は桜の盆栽の根元に水をやる。

「もう花も終わりだね。」

枯れた花を、枝から摘まんで取ってやる。

「これでいいよ。すっきりしたね。」

隣に置いた松にも水をやる。

根元の苔もいい感じに育ってきた。

俺は桜と松を朝日の当たる場所に動かした。

俺は部屋に戻ってコーヒーを淹れた。

リビングの窓から、桜と松をながめる。

松が桜に寄り添うようにたたずんでいる。

コーヒーを飲み終わると、身支度をした。

ベランダに出て、桜と松を直射日光の当たらない涼しい場所に移す。

「いってきます。」

俺は桜に声をかけて、部屋を出た。



【桜と松・潤】

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