テキストサイズ

雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第35章 嫉妬【翔】

「ど、どうしたんですか!?」

エレベーターに乗り込んできた局の職員が驚いて俺たちを引き離し、智くんを抱き起こした。

呼吸を解放された智くんは、激しく咳こんだ。

「大野さん、大丈夫ですか!?」

職員が智くんを介抱しているのを横目に、俺はエレベーターを降りた。

翔「ちっ。」

俺は小さく舌打ちをして廊下を抜け、トイレに入った。

個室の扉の鍵を掛けた音で、俺はハッと我に返った。

急に身体が震えて来た。

歯の根が合わないほどガチガチ言った。

全身鳥肌が襲い、力が抜け、便座に座り込んだ。

翔「俺、何やったんだ…?」

今しがたの自分の行いがよみがえった。

はっきり手に残る、智くんの首をしめる感覚。

俺の下で声も出せずもだえ苦しむ顔。

その顔におぼえた血が沸き立つような快感。

翔「何てことをしたんだ…。」

一気に押し寄せる後悔の念。

その時気がついた。

俺は下着を精液でべっとりと濡らしていたことを。

【嫉妬・翔】

ストーリーメニュー

TOPTOPへ