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未知夢

第9章 異動

 ベンチに座ると、静かに目を閉じた。もう一度、高円寺綾のマンションに行きたい。今から足で向かっても到底間に合わない。


 電車、タクシーでも間に合わないだろう。


 出来たら……マンションの近くに移動したい。


 目を閉じて念じた。


 あのマンションの傍に……




 どのくらい、目を閉じていたのか……。


 なにか変わってるかと思い、目を開けた。


 まだベンチにいた。


 緑色の石、やはり、あれがなにかしらの力を発揮していたのだろうか?


 夢の中の時空間移動を可能にしていたのは、あの石のパワーが成せるものだったのかもしれない。


「何度か使えば消えるのか? そうなら、もう一度欲しいなぁ」


 手に入れるにはあの夢を、再び見なければならない。


「また見れるとは限らないしなぁ……」



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