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未知夢

第3章 酒席

「黙って聞けって!! で、鍵も閉めて布団の中に入った。そして、眠ってから、さっき話した夢だ。朝起きたら隣に由佳里が寝ていたってわけよ」


 繁は腕組みをして考えていた。


「……お前さぁ、酒の席でそれ話すか!?」


「不思議だろ? で、由佳里に聞いたら、『あれ? 私、こんな所いたんだ』てなもんでさぁ」


「普通は焦ってビンタの一発くらいして通報するだろ。それが本当なら、由佳里もおかしいぞ」


「それがだ、俺に言った一言が、『迷いこんだ所が森屋くんの所で良かった』って」


「なんだその話……胸くそ悪い……でも、その話、由佳里もハッキリしてないよな」


 繁は額にグラスを当て、グラグラきている気分を冷した。


「不思議なんだよね。まったくハッキリしないからさぁ。でも、その後にヤっちゃった訳だけど……」


「直後かよ!! まったく腹立つ!! 土壇場でHだから、絶対生だよこんちくしょー!! おい、チューハイ、いや、むっちゃ高い酒、ボトルごと持ってこい!!」


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