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未知夢

第7章 誤認

 取調室。


 繁は椅子に座ってジッと待つ。端には机に向かって何かを書いている若い男がいる。


 彼も刑事なのだろうか?


 繁はただ、ジッと待った。


 すると、昨日と同じ刑事が入ってきた。


「はい、またせましたね」


「人を待たせて謝りも無しに何を軽く言ってるんすか!!」


「すまんすまん、てか、何を怒ってるんだ?」


 刑事は繁の前に座った。


「そりゃ、怒りたくもなりますよ」


 繁は口を尖らせて言うと、腕を組んで外方を向いた。


 刑事はニヤリと笑った。


「てか、さっそくだがな。滝、お前の隣に住んでいる住民で寺田亀代と言う中年女性は知っているか?」


「住んでいる女性は知ってますが、寺田亀代って人は知りません」


「うん、まあ、同一人物だがな……」



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