未知夢
第3章 酒席
繁は森屋の後を、無言でついていく。
上下合わせて数万円の、ブランド物のスーツ姿の男の後ろを、上下合わせて1200円の男が歩く。
5分ほど歩いた所に赤い大きな文字「良い酔い」が見えてきた。
繁は思った。
(頼むから、はい、ここまででしたと言ってくれ!! 軽蔑しないから!)
そんな望みを大きく裏切り、森屋は堂々と店に入って行く。
店はまだ準備中だったが、森屋が奥に進むと、白い法被を着た従業員全員が、一斉に注目し、頭を下げる。
「おはようございます!!」
森屋は店内を見渡し、厳しい目付きで「構わないから、続けて」と、言った。
社長の登場に店の空気が一変し、ピリピリとしたムードに変わった。
空気を察してか、繁が森屋に言った。
「おい、お前、酷いやつだな。さっきまで和気あいあいだったのが、みんな背筋伸ばしちゃってるじゃねぇか」
「その方がいいだろ。食を扱ってんだから真剣にやってもらわないと」
上下合わせて数万円の、ブランド物のスーツ姿の男の後ろを、上下合わせて1200円の男が歩く。
5分ほど歩いた所に赤い大きな文字「良い酔い」が見えてきた。
繁は思った。
(頼むから、はい、ここまででしたと言ってくれ!! 軽蔑しないから!)
そんな望みを大きく裏切り、森屋は堂々と店に入って行く。
店はまだ準備中だったが、森屋が奥に進むと、白い法被を着た従業員全員が、一斉に注目し、頭を下げる。
「おはようございます!!」
森屋は店内を見渡し、厳しい目付きで「構わないから、続けて」と、言った。
社長の登場に店の空気が一変し、ピリピリとしたムードに変わった。
空気を察してか、繁が森屋に言った。
「おい、お前、酷いやつだな。さっきまで和気あいあいだったのが、みんな背筋伸ばしちゃってるじゃねぇか」
「その方がいいだろ。食を扱ってんだから真剣にやってもらわないと」