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未知夢

第8章 時間

 ドキドキしながらチラリと郵便受けを見た。


『702 奈尾津人生相談事務所』 


 これだ!!


 繁は大きく息を吸い、顔をひきつらせながら振り向いた。


「はい……あの、ここの7階の事務所に……相談に行ってまして……」


 なぜか、さっきより人数が増えていた。鋭い目がたくさんこっちを見ている。


 心の中で何度も(助けて下さい助けて下さい助けて下さい助けて下さい)と、叫んだ。


「なんや客かいな」


「はい」


「せやけど、ここは6階までやで」


「えっ?」


 だが、郵便受けのプレートには『702』と、ある。


「あれか、あれは奈尾津先生の名前をもじって、なおつ(702)と、してはるんや」


 口は笑っているが、目は怖い。


 他の人の顔は、まったく笑っていなかった。




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