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sugar-holic

第11章 イベント準備

《倉田side》

「…まいったな」

課長が池上の所に行ってしまうと、その後ろ姿を追っていた浅野社長が苦笑いを浮かべた。

「手料理を食べさせてくれって約束した話のつもりだったのにな」

は?

「そんな約束してたんですか?」

「まぁね。上手くはぐらかされたけど」

浅野社長は、思いだし笑いを浮かべると

「でも、可愛かったからいいか」

「え?」

「照れながら俺の名前呼んだときの顔、見た?頬を赤くして微笑んで…可愛かったなぁ」

「30オーバーの女を可愛いと言う感覚は、ちっとも理解できませんね」

浅野社長がデレデレになってるのが面白くなくて、つい批判的な言葉を口にした。

すると浅野社長は、目を細めてニヤリと笑って言った。

「君の想い人は鈍感な天然なのか、男を惑わす魅惑的な小悪魔か…どっちなんだろうな」

この人は…っ!!

何もかも分かってると言いたげな表情も気に入らない。

「…ただのド阿呆ですよ」

『ド』に力を入れて言うと、浅野社長がククッと笑う声がした。

…くそっ!!

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