テキストサイズ

sugar-holic

第3章 顔合わせ

休日明けの月曜日。

この日は倉田くんの担当の得意先を、倉田くんと一緒に回った。

倉田くんに運転してもらって、私は後部座席に座る。

「えーっと、まずは浅野企画さんだっけ」

「はい。俺が担当する前からずっと懇意にしてもらってます」

「浅野企画さん…あ、あった」

ファイルのページをめくり、浅野企画を探し当てると、内容を読み込む。

「…何見てるんですか?」

「ん?秘密メモ」

「…は?」

平谷次長から、餞別ってもらったのがこのファイルだった。

中身は、平谷次長が岐阜にいた頃にお世話になった相手先の情報。

これがなかなか重宝する内容で…おかげで初対面の人とも地雷を踏まずに打ち解ける事ができた。

「浅野社長って…平谷次長と仲良かったのね」

「あぁ、そうですね。あの人が本社行く前に俺が引き継いだんですけど、すっごく残念がってました」

「へぇ…」

「なかなかやり手ですよ」

「うん…そうみたいね」

他の会社よりも詳細な書き込みがしてある。

手強い人なのかも…?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ