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sugar-holic

第10章 棘がチクチクする

料理が運ばれてきた時には、打ち合わせが終わっていた。

正直、倉田くんの切り替わりの落差に、私のペースが乱されてる気がする。

「今日は飲まないんですか?」

「うん。大丈夫」

「飲んで酔っても、ちゃんと送りますよ?」

…自分に前科があるの、分かっててそういう事言う!?

「今日はいいや。せっかく健康的な店に連れてきてもらったんだから」

「ハーブ酒とかありますけど?」

だから!!いらないって言ってるのに!!

「じゃあ、デザートは?」

「それもいらない」

あくまでにこやかに。

でも内心は少しだけイライラしてきてる。

女の人扱いして、気を遣って言ってくれてるのかもしれないけど。

逆に、手慣れてる感じがして勘に障る。

「へぇ…。シュガーホリック、治ったんですか?」

ちょっと驚いたように言った。

…それでデザート勧めてきたの?

「おかげさまで」

そう言って、にっこり微笑んで倉田くんを見た。

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