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第4章 頭の中の甘い思い出

「七海ちゃん、ここに洗面台あるから」
といってリビングに行く前に長い廊下の
途中で私は洗面台に入った。
中野さんは先にリビングに向かったようだった。

手を洗って、手早く、化粧直しをして
髪の毛に手を入れ、ふんわりさせたら
私はリビングに向かった。

そっと扉を開けたら、ガラス窓一面に
東京の夜景が広がっていて、私は
思わず窓までかけよってしまった。

「七海ちゃん?夜景好きなの?」
中野さんの優しい声が後ろから聞こえて
私は我に返った。

「はっはい…こんな綺麗に見えるの初めてで」

「ははっそんな褒めてくれるなんて。今日招待した甲斐があったよ」

そういって中野さんはシャンパングラスを二つ
もって窓際にいる私にグラスを渡した。

「七海ちゃんの麗しさに」

華奢なグラスを軽くぶつけあい
お互いに一口飲んだ。

黄金色のあのシャンパンは今でも
忘れられない。

私は窓に向き、シャンパングラスを
東京タワーに重ねて、一気にシャンパンを
飲み干した。

中野さんはシャンパンボトルを持って
私のグラスに注いでくれた。

ガラス張りのテーブルにはフルーツと
チョコが綺麗にお皿にのっていた。

「チョコとシャンパンが一番好きなんだ」

また中野さんは少年みたいに笑って
チョコを一粒手にとり少しかじった。

チョコの味を舌の上で感じるかのように
中野さんゆっくりとかじった分を
堪能しているように見えた。
そしてシャンパンを口に含んだ。

「美味しいよ?食べる?」

こんなに色っぽい男の人を私は
みた事がなかった。気後れしてしまった。

「えっえっはい!」

私はソファーに腰をおろし、
チョコを一粒手にとり、中野さんと
同じように一口かじった。

ゆっくり味わいながら、
シャンパンでチョコの甘さを喉に
流し込む。チョコの甘さが流されて、
シャンパンの爽快感が口に残り
チョコの甘さが鼻から抜けっていた。
例えがたい爽快感?快感にもにた
奇妙な組み合わせに私は一瞬で
虜になった。





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