テキストサイズ

桜並木を見おろして【ARS・O】

第11章 マンション【智】

カレンダーを見ると、もう夏は半分過ぎていて。

公募展の応募締め切りまでの月日を数える。

ちょっとペースを上げないと、間に合わなねぇかな。

休みの日も、アトリエにこもって作業だな。

「………。」

もうかなりしばらく小春ちゃんに連絡してない。

今までの彼女たちは、俺が作品に没頭して会わなくなると、揃って文句を言った。

『ちょっとくらい会えないの?』

『電話くらいできるんじゃない?』

その通りなんだけどさ。

俺は困ってしまう。

なかなかうまく自分を切り替えたられなくて、困ってしまうんだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ