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桜並木を見おろして【ARS・O】

第3章 懐かしい再会

「おー、智!こっちこっち!」

京都駅の八条口出口を出ると、オーバーオール姿の背の高い男性が手を振っていた。

タケシさんだ。

「タケシ、久しぶり!」

大野さんが駆け寄った。

二人はひとしきり再会を喜んだあと、こちらを向いた。

「お姉さん、よく来てくれたね!」

“お姉さん”

タケシさんは、美大の頃私をそう呼んでいた。

「私のこと、覚えていてくれはったんですか?」

私は、嬉しかった。

「当たり前だよ!智が連れていた女の中で、抜群にべっぴんだったもん!」

「バ、バカヤロ!」

大野さんが真っ赤になってタケシさんを制した。

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