テキストサイズ

桜並木を見おろして【ARS・O】

第7章 桜月夜

アッコさんと私が女湯を出ると、下駄箱のところでタケシさんと大野さんが待っていた。

「ごめん、待った?」

「いや、煙草吸ってたから。」

四人でタケシさんの家に向かって歩きだした。

4月の夜の風は冷たい。

私は、コートの前を深く合わせた。

夜空にはおぼろ月。

ぼんやりと浮かび上がっている。

静かな住宅街の路地を四人で歩く。

おぼろ月が、路地に四つの影を落としている。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ