
1人じゃなくて。
第7章 No.7
「高校生って大変ですか…?」
『ん―………楽しい!』
「……ふっ……あははっ!楽しいんだぁ…いいな―…」
私達はすっかり打ち解けていました。
片付けも大方終わり、机を並べて
くだらない話に夢中になっていました。
『部活も、友達も、中学よりは充実してる…と俺は思う。』
人それぞれだけどね、と一樹さんは話してくれました。
良かった
ちゃんと話せてる
寂しくない
一樹さんは、バスケ部に入っているらしく
程よい筋肉と、爽やかな笑顔がとても素敵で
誰かに自慢したくなるような、優しいお兄さんでした。
「………私嬉しいです。」
『?』
小首を傾げる一樹さん
「一人っ子で…寂しくなかったんですけど、父と母がいなくなってから急に人が恋しくなって……」
真剣に話を聞いてくれていた。
「お祖母ちゃんもいなくなって………誰に頼ればいいのか解りませんでした。」
「でも…こんな素敵なお兄さんができて………なんか勿体ないくらいです………っ…ふ…」
いつのまにか泣いていました。
しょっぱくて………頑張って止めようとしたとき…………
───ポスッ──
『泣かないで……』
