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橙の傷

第5章 爆発

「きれいだな…」

お兄ちゃんがやっと発した言葉は小さくて、儚くて、なんだか迷いを感じて。

私は不安になる。

分かってるよ。

罪で、罰で、禁忌で、許されない。

でも、あなたとなら。



どこまでも堕ちる。



「触れて…?」

私の乞う声にお兄ちゃんの瞳が揺れる。

「博人…。」

お兄ちゃんの心が決まる音がした。

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