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君と僕の見ている風景

第10章 誕生

翔とデートの約束を取り付けたもののそう直ぐには実行出来る筈も無く。
レギュラー番組の収録と映画の番宣に追われた俺は疲労とストレスがピークになっていた。


「あーもう…イライラする」


両手で顔を覆いながら俺はズルズルと楽屋のソファーに項垂れる。


雅紀「松潤大丈夫?」


心配した雅紀が俺の隣に腰掛ける。


「大丈夫…じゃない。何かもう…はぁ…」


雅紀「そっかぁ…」


ポンポンと優しく背中を叩いてくれた。


雅紀「何なら俺が抜いてやろうか?」


「ぶはっ!欲求不満て一言も言ってないよ?」


まぁ、図星だけど…。


雅紀「言わなくても分かるよー。お客さん溜まってます?」


笑いながら相葉くんの手が俺の太ももを撫でる。


「奥さんの許可取ってくれ」


雅紀「えー?だって松本さんの奥さんてあの櫻井翔さんでしょ?キレると恐ろしいって噂の…」


何故か相葉くんがオネェ口調になり、俺も楽しくなってそれに乗った。


「そうなんですよもー。厳しい人でねー。浮気なんてしたら殺されますわ」


雅紀「まぁー恐妻家なのね松本さん」


「毎日怯えてるんですのよ」


雅紀「あっはっは」


耐えきれず相葉くんが吹き出した。


「ふはっ」


雅紀「あー面白かった。ちょっとはスッキリした?」


「うん」


雅紀「まぁ…ストレス溜まったらいつでもどうぞ。相談に乗りますわよ」


「ははっ。ありがとう」


相葉くんのお陰で悶々としていた気分が何処か少しスッキリした。


やっぱり…相葉くんは明るくて優しくて…。でも1番思慮深くて回りに気使って…。ごめんな。ありがとう。


俺は相葉くんのお陰で久々に良い気分でその日の仕事を終える事が出来た。

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