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「ヒナ…」


翔「………」


村上「俺のせいや。こいつの翔くんへの気持ち…知ってて何も言わんかった。こんな事になるなんて思わへんかった。俺が責任取るから許して欲しい。いや…許さなくても…もう一度チャンスくれへんか！？」


横山「………止めろよ…俺はもうどうなっても…」


村上「うるさい！お前は黙っとれあほ！！」


横山「………」


泣きながらヨコに怒鳴るヒナの姿。
直感で感じた。
ヒナ…ヨコの事…。


「でも…俺は…許せない。翔をこんな目に遭わせて…」


翔「………」


さっきよりいくらか落ち着きを取り戻した翔は…俺にしがみついたままヨコを静かに見ていた。
きっと翔も…ヨコの気持ちを感じ取ったんだろう。


村上「………頼む…チャンスを…下さい…」

ヒナは何度も床に頭を付けて許しを請った。


「………ヨコ」


俺は…黙ってうつ向いたままのヨコに声を掛けた。


「お前のした事は…俺はそう簡単に許せない。いつか…許せる日が来るかもしれない。でも…今は無理だ。大切な人傷つけても手に入れようなんて俺には理解出来ないから」


横山「………」


翔「ヨコ。俺…ヨコと仕事出来て楽しかったよ」


ふと、ヨコが顔を上げ、翔を見つめる。


翔「楽しかったし…ヨコの仕事に対する姿勢…勉強になった」


横山「………翔くん…」


翔「ヨコの気持ち…気付かなくてごめんね。俺が気付いてれば…こんな事にならなかったのかもしれない」


「………翔…」


すると翔がゆっくりと立ち上がり、ヨコの元へと歩み寄った。
俺は慌てて支えながら、上着を翔に着せた。


横山「………翔くん…俺…ずっと好きやった…諦めんといかん思てた…でも…毎日翔くんと一緒に過ごして…気持ち止められんようになって…松潤の話するとき…本当は悔しかってん…何で俺やないんやって…それに…俺の気持ち気付いてくれんかった翔くんにも…腹立って…最初からちゃんと告白してフラれてれば諦めついたのにそんな勇気もなかって…気付いたら…あんな事…」


翔「………」


横山「………ごめん…ごめんな…もう俺…合わせる顔ない…とんでもない事した…仕事…止める」


村上「は！？」


横山「責任取って…引退する」


翔「………」


そこに居る誰もが言葉を失った。