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Starlight Kiss

第14章 15年前の真実

ー翔sideー


仏壇の前で俺はぼんやりと座っていた。
そこにあるのは…母さんのお骨。


さっき葬式が終わって…やっと葬儀場から戻って来た。
舞は…疲れて寝室で眠っている。


父さんは…まだ母さんの死を受け入れられず…昨日のお通夜からずっとお酒を飲んでいた。


俺が…しっかりしなきゃ。
3人で…頑張ろう。


線香を立て、手を合わせていると…こちらに向かってくる足音がする。


「………父さん…?」


翔父「………何してる」


振り返ると…泥酔していた父さんが壁にもたれ掛かりこちらを見ていた。


「お線香…あげてた。父さんまだ飲んでたの?」


翔父「………あぁ」


「少し休んだら?疲れたでしょ」


翔父「そうだな…お前も疲れたろ」


「………大丈夫」


翔父「………」


暗がりの中…父さんは既に目が座って虚ろだった。


「………父さん?」


翔父「お前は…良い子だよな。素直で可愛くて…あいつに…陽子によく似てる」


「………?」


翔父「俺は…どうしたらいいんだ。あいつが居なくなって…」


「父さん…」


翔父「………癌だなんて…まだ40前なのに…舞だって…まだあんなに小さいのに……」


「………」


顔を覆いながら…父さんは泣き崩れる。
俺は…手を伸ばし父さんを支えた。


「………3人で頑張ろうよ。俺…頑張るから…」


翔父「翔…翔…」


「頑張ろう?」


泣きながら…俺の足に父さんがしがみつく。


翔父「陽子…陽子…うっう…」


「ちょっ…と、父さん?」


そのまま父さんは…俺を引きずり倒した。


翔父「陽子…陽子…愛してる…」


「っっ…父さん!?」


父さんの手が…制服の中に滑り込む。


翔父「陽子…陽子…!」


「ちっが…父さん!俺だよ!止めて…!」


翔父「頼む…静かにしてくれ…」


「止めて…父さん!!」


母さんが見つめる仏壇の前で…俺は義理の父親に身体を奪われようとしていた。

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