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Starlight Kiss

第1章 出逢い

国分「ここだよ」


太一先輩に連れて来られたのは町外れにある古びた雑居ビル。


すると太一先輩が歩みを止めて俺の方を振り返った。


国分「なぁ相葉。先に確認したいんだけど」


「はい?」


国分「お前…男もイケるクチ?」


「は…?」


唐突な質問に俺の口はぽかんと開いたまま。


何言ってるんだろうこの人は。


国分「だから…!男もイケるかって聞いてんの!」


「え…あ、いや…気にした事無いですけど…でも経験は無いです…」


太一先輩がにっこり微笑む。


国分「じゃあ平気だな。行こう!」


「え?ちょっ…!」


階段を駆け上がる太一を後ろから追い掛けた。





男「国分様。いらっしゃいませ」


鉄の扉を開くとそこは表向きとは違う美しく豪華な内装。


「凄い…」


俺は辺りをキョロキョロしながら先輩の後に続く。


国分「ショウ居ますか?」


男「申し訳ございません。あいにくショウは接待中でして。後30分は…」


国分「またかよ~!」


男「彼はうちのナンバー1ですから。申し訳ございません」


2人の会話が全く分からない。
後ろで突っ立ってると太一先輩に手を引っ張られた。


国分「ここさ…娼館なんだよ。男娼専門のな」


「は…?しょ、娼館!?」


国分「ほらこれ。選ぼうぜ」


おもむろにファイルを渡される。


促され、パラパラ捲るとそこには沢山の男の子達の写真が載っていた。
顔のアップ。全体像。
そして身長・体重・料金が記載されていた。


国分「うーん…じゃあ今日はカズかな。カズよろしく」


太一先輩が指差した先には『カズ』と書かれた小柄な童顔の子。何処と無く柴犬っぽい。


男「かしこまりました」


ボーイが奥に入り1分程経つと写真の子を連れて出て来た。


カズ「太一さん。久し振り」


国分「ヤッホー♪」


顔見知りなのか、近付くと肩を抱き寄せ親しげに会話をした。


カズ「どうせショウが捕まらないから俺なんでしょ?」


国分「違うよー今日はカズに会いたかったの♪」


カズ「ふふっ、まぁいいや。行こう?」


太一先輩がカズの腰に手を回し、奥に歩いて行く。


「あ、太一先輩!」


国分「好きな子呼んで楽しめよ。じゃあな」


手を振って消えて行った2人。


俺はその場に呆然と佇んだ。

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