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Starlight Kiss

第6章 連鎖

ー翔sideー


病院に着くと、舞は既に手術を受けてる最中だった。
俺と雅紀は手術室の前のベンチに座り、終わるのを待つしか無かった。


「調子…良かったのに…」


雅紀「………」


雅紀は何も言わずに隣で俺の手を握ってくれていた。


俺達は、ただ静かに手術が終わるその時を待っていた。





『手術中』のランプが消えたのは昼前だった。


扉が開き、主治医の先生が出て来ると、俺と潤は立ち上がって先生の元へ駆け寄った。


「先生…!」


医師「櫻井さん」


「先生…舞…舞は…」


医師「今は容態は安定していますから大丈夫でしょう。ただ…前回よりまた心臓の状態が弱ってます。出来ればそろそろ移植を考えられた方が…」


「………そんな…」


医師「少し考えてみられて下さい。とりあえず渡米だけでも…。検査をしてドナー登録するのにも時間が掛かりますから」


「………はい…」


頭を下げ、先生はその場を立ち去った。


雅紀「とりあえず…落ち着いて良かった」


先生が見えなくなった後、雅紀に抱き締められる。


「うん…でも…」


雅紀「翔。座って」


雅紀に促され、俺はベンチに腰掛けた。


雅紀「5000万必要だって言ってたよね。今…いくら貯まってるの?」


「………まだ…半分…」


雅紀「………じゃあ…後2500万…か…」


暫く考え込んだ後、雅紀が顔を上げた。


雅紀「俺…借りられそうな人に当たってみる」


「雅紀…!」


雅紀「いくら借りられるか分からないけど…でも…」


「駄目!」


俺は雅紀の腕を掴んだ。


「駄目…!絶対駄目!雅紀に迷惑は掛けられない!」


雅紀「翔…」


「雅紀に借金なんて…そんな事させられない!!」


雅紀「何言ってんだよ…今そんな事言ってられないだろ。舞ちゃんの病気を治す事が先決だろ?」


「分かってる…!分かってるけど…雅紀に背負わせられない!」


雅紀「何で…何でだよ」


「愛してるから!愛してる…!だから…だから雅紀のお荷物になるのは嫌なんだよ!」


ここが病院だという事を忘れ、俺は声を荒げてしまった!


雅紀「馬鹿!」


頬に軽い衝撃が走る。
雅紀に叩かれたと自覚したと同時に…俺は雅紀の腕の中に居た。

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