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Starlight Kiss

第8章 tragic love①

松岡「16で道端で客引きなんて…いくら日本だからって…変な奴等は沢山居んだぞ。何やってんだ」


ため息を付きながら男は俺の隣に腰掛けた。


「………始めから抱く気無かったの」


松岡「当たり前だ。あんな時間にあんな場所で…簡単に知らない大人に声掛けて…。今まで危ない目に遭った事無かったのかよ」


そう言いながら俺を見つめる彼の瞳は本当に俺を心配している様な目だった。


「多少は…。でも…」


松岡「でもじゃない。あんな事二度とするんじゃないよ」


「………」


松岡「どうした」


「関係ないだろ。俺がどうなったってあんたには」


松岡「………」


「金がいるんだよ。チマチマ働いてたんじゃ足りない。たかがセックスだろ。馬鹿な変態達の相手すれば楽に稼げるんだから。危ない目に遭うなんて言われなくても分かってるよ。怪我した事だってあるし金払われずにトンズラされた事もある。でも金がいるから仕方ないだろ。別に誰にも迷惑掛けてない。あんたに説教される筋合いは無いんだよ!」


言い終わると同時にパンと、彼が俺を殴る音が狭い部屋に響いた。


「な…何すんだよ!」


松岡「ふざけんな!」


「っっ…」


松岡「ガキが生意気な事言ってんじゃないよ!迷惑掛けてない?俺に迷惑掛けてんだろうが!こんなクソガキに声掛けられて簡単に落とせると思われて…随分安く見られたもんだな。大人を舐めんじゃない!大人はそんな馬鹿な奴ばかりじゃないぞ?自分を陥れるのは止めろ!」


「………」


返す言葉が無くて、俺は唇を噛んだ。


松岡「………本当は嫌なんだろ。こんな事すんの」


「………あんたに…何が分かるんだよ」


松岡「何となく。勘だ」


「………ぷっ…」


真面目な顔して勘だと言う彼に…俺はちょっと笑ってしまった。


松岡「笑うな。俺の勘は当たんだよ」


そう言うと、彼は優しく俺の頭を撫でた。


松岡「すまん怒鳴って。それとシャツも」


「………ううん…」


松岡「………とりあえずさ。何か分かんねぇけどこれも縁だ。名前…教えてくんねぇか」


………初めてだ。名前なんて…聞かれたの。


「………櫻井翔」


松岡「そうか。俺は松岡昌宏」


………松岡さん…。


これが運命の出逢いになるなんて…この時の俺は…考えもしなかったんだ…。

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