テキストサイズ

Welcome to our party

第34章 WINTER COMES AROUND by millie

「ただいま~」

「…」

ソファに座り、マグカップを両手で
包んだまま、テレビを見ている雅紀。

でもその瞳にはなにも写ってない…。

儚げな表情で画面のその先を視ている。

ねぇ、雅紀には見えるの?
かつて愛したあの人の姿?

雅紀を残して目の前で消えた兄貴?

ネクタイを解きながら部屋に入り着替えて
リビングに戻ると雅紀がさっきまでと
違う顔で俺を見る。

「和、おかえり。外、寒かったでしょ?
 ミルクティ、入れようか?」

「だーかーら、いつも言ってんじゃん、
 俺はコーヒー党なの」

兄貴とは違うんだよ…。
声に出さずに言う。

「そうだった。
 ごめん、すぐコーヒー淹れるから」

キッチンに向かおうとする雅紀の手を取る。

「コーヒー、いいや。
 それよりもさぁ…雅紀が欲しい」

雅紀の手首を掴んで引き寄せる。

「冷たっ、和の手、冷たすぎ。
ほんとに生きてんの?」

「当たり前じゃん、生きてるよ?
生きてここにいるよ?
わかんないの?教えてやるよ?」

そのまま寝室に引きずりこんで
雅紀の唇を奪う。

シャツを脱ぎ捨てベッドに押し倒す。

「和っ、や、待って」

「やだ、待たない」

唇を塞ぎ、指を胸に這わせる。
ちょっと弄れば、たちまち硬く立ち上がり
存在を主張する。

その胸の粒に歯を立てる。

瞬間、仰け反る身体。

抱き留めてその横の柔らかい部分に
紅い華を咲かせる。

「やっ、和っ、痕、残るっ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ