ねがい*ごと
第4章 優矢の想い
私は布団から出ると、リビングへそっと見に行った。
少女は転がるボールを追いかけたり、床にポンッと落として弾むのを楽しんでいた。
すると、ボールが私の足元へ転がってきた。
「っ」
少女は私に気づくと、ぱっとカーテンの影に隠れてしまった。
どうしたんだろう?
恥ずかしいのかな?
「怒らないから隠れてないで、出ておいで」
私が声をかけると、少女はもじもじしながら顔を覗かせた。
『…』
「名前はなんて言うの?」
少女は首を横に振った。
「じゃあ、今いくつ?」
また首を横に振る。
白のワンピースに、髪は肩より少し上の長さ。
目がパッチリして、人形のように愛くるしい顔立ちをしていた。
本当にこの子は、映画に出てくるような、
サダコちゃんやトシオ君と同じなのかな…?
私はボールを手に取ると、少女の正面にペタンと腰をおろし、ゆっくりそれを転がした。
コロコロ転がってくるボールを小さな両手が受け止めた。
「上手、上手〜!」
少女は笑顔を浮かべた。
私も楽しくなってきたわ。
今度は少女が私にボールを転がしてきた。