ねがい*ごと
第6章 優しい貴方
「ふぁ…」
いけない、またあくびが出ちゃう。
仕事中、私は眠くてたまらなかった。
さっき奥さんに言われたばきりなのに。
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「亜沙美ちゃん、この頃ずいぶん疲れてるみたいだけど、大丈夫?」
「す、すみません。
ついビデオを夜中まで観ていて…」
「そう。でもほどほどにしないとね。
目の下クマができちゃってるわ」
「はい、気をつけます」
私は…
毎晩のように現れる
少女と、明け方近くまで遊んでいた。
絵本を読んであげたり、お人形ごっこをしたり。
少女と戯れている時だけ、私はとても癒やされるのだ。
悲しかった事、辛かった事が全部忘れられた。
だから、あの子が幽霊であっても。
いつか私は精気を奪われ、
一緒に※黄泉の国(ヨミノクニ)へ連れて行かれたとしても。
それでも
構わないとさえ思えた……。
※死者の国