ねがい*ごと
第6章 優しい貴方
「あの子はどこ?」
そこはいつものリビングだった。
私と優矢は部屋中を捜したが、少女は消えていた。
「優矢もあの子を見たでしょ?」
「うん、見た…」
「私ずっと罪悪感でいっぱいだった。
妊娠がわかった時あなたはとても喜んでくれたのに…仕事が辞められずに無理したの。私があの子を…っ」
「お前のせいじゃない。もう自分を責めるな」
「私…あの子の所へ行ってあげたいの…ッ」
その瞬間優矢は私を強く抱きしめた。
「だめだ、絶対だめだっ。それだけは許さない…っ」
「…ひっく…ぅ…」
「っ…」
優矢の肩も震えていた。