ねがい*ごと
第7章 新出発
「あの子はそんな事のぞんじゃいない。俺、あの子の心の声を聞いたんだ」
「えっ、何て?」
「『ママを守って』って。亜沙美にしがみつきながら俺に伝えてきた」
「…っ」
「亜沙美、俺達やり直さないか?」
「えっ…」
優矢の真っ直ぐな瞳が、頑なな私の心を溶かしてゆくようだった。
そうね…
きっとこの人は、
私のどんな姿を見ても、ずっと変わらないでいてくれるだろう。
あなただから
また
夫婦になりたいと思う……。
「こんな私でいいの?いつまたおかしな言動で、優矢を苦しめるかも知れないのに」
「いいんだそれでも。ただ俺の傍にいてくれるだけで」
「どうして…そんなに優しいのよ…?」
優矢は少しはにかんだ顔をして言う。
「亜沙美だから。ありのままのお前が好きなんだ」
「…」
こんな暖かい言葉で、私の心を救える人など…優矢の他に誰がいると言うのだろう?
「ありがとう優矢。私もあなたの傍にいたい…!」
優矢は私をソファーにゆっくり寝かせると、その熱い唇を重ねてきた……。