ねがい*ごと
第7章 新出発
定時になり、私はミツコさんと退社してエレベーターを待っていた。
チン!
エレベーターの扉が開くと…
「あ、お疲れ様です!」
私が声をかけたのは、ちょうど外回りから帰ってきた小野さんだった。
私はチラッとミツコさんを見る。
「お先に」
「ああ、お疲れ様」
その時一瞬、小野さんがミツコさんにウインクをしたのだ。
あれっ??
なんだか今いい雰囲気だった…!
エレベーターに乗ると、私はミツコさんを問い詰めた。
「もしかしてミツコさんと小野さんって…そうなんですか?」
「えっ、もう。なんでバレちゃったの?」
「わかりますよ〜、あれじゃ笑」
「そっか笑」
ミツコさんは嬉しそうだった。
「黙ってるなんてひどいじゃないですか。私どうなったか、すごく心配してたんですからね」
「ごめんごめん。もう少し落ち着いたら、言おうと思ってたの」
「ほんとに良かった」
私は嬉しくて…
エレベーターの中でミツコさんの両手を取った。
「じゃあ亜沙美ちゃんと私のお祝いに、スイーツ食べに行こっか?」
「わ〜い賛成!」
外へ出ると、もうすっかり暗い。
季節は秋へと移り変わっていた。