テキストサイズ

ポシェット

第9章 お金


神様に唾を吐きかけて
ネオン煌めく歓楽街をさまよった
匂いのキツイ香水を買った
情事のアトを隠すためだ

濡れた舌と共に耳に差し込まれた
愛の言葉はすべて聞き流し
金だけを受け取った

本音を押し殺し
嘘でコーティングするためだけにある
言葉なんて
ちっともアテにならないだろう?
服や化粧と一緒
ただのお飾りなんだろう?

一円単位で
切り売りするよ
体も心も好きにしていいよ

その代わり
見合った代価をちょうだいね

ストーリーメニュー

TOPTOPへ