
ポシェット
第23章 拒絶
綱渡りのような優しさならいらない
つぎはぎだらけの袋から見える本音が
あなたの真実だって知っているから
重たい夜に背を向けて
肉付きの悪い膝を抱えて
すさんだ目で私を見ないで
同情ばかりうそぶくくちびるを
塞ぐ勇気すら今は持てない
衝動のまま突き進む原動力は
寂しさだって
たったそれだけなんだって
いつか教えてくれたじゃない
愛情の中身 空っぽで
突き返すものさえ
ありはしないの
無理して笑わなくていいから
優しい言葉もいらないよ
電話もメールもくれなくていいから
ほんの少しだけ
ひとりぼっちの時間をください
