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チャンスとしか思えなかった。

寝る前に見ていたテレビにユウカの嫌いなホラー映画の宣伝が流れた。

「やぁっ」

小さな悲鳴が上がり、ユウカは俺にしがみついた。

チャンネルをすぐに変えようとしたけれど、リモコンがなかなか見つからなかったんだ。

俺の腰に力一杯しがみつくユウカ、離れようとしない。

よく鳴る雷のせいでユウカの恐怖心が増していたせいか力が強く感じた。

だから

だからリモコンを探す手が遅れたんだ。

だから……

だからひとまず、体制を整える為にユウカの脇腹に手を当てて。

だから……このまま…

もうなんでもいいから電気を消したかった。

……だから

暗闇でユウカを……



ユウカを………




そしたら電気が消えたんだ。

雷のせいで停電したんだ。



だから。