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箱……護

第2章 取調室の悪魔


手足を切断されても…幸せだった―――――…



遠藤恵美は…本当にそうだったのだろうか…




取調室の中は…異様な雰囲気につつまれる…



彼女が同意していたなら…


この行為は……



殺人では…ない…






「――――…有馬…

お前は、切断した腕や足ををどうしたんた…


捨てた形跡もない……


細かく砕き…埋めた形跡もない…


トイレに流した訳でもない…


戦利品として…何処かに隠しているのか……


彼女の腕と足を…返してやれ――――――…」




梅木さんは、彼女の体を…元に戻してから…遺族に返すべきだと…



有馬に訴えた―――――…
















「――…刑事さん…

それは無理な申し出です…

彼女の体は……僕が…この体の中に、納めてしまったのですから――――――…

彼女の体は…僕の生きるエネルギーとなり…僕を動かしている…


僕の…体は――――…恵美の…血と肉で出来ているんですよ――――――…


もう……返せません」






―――――…う…嘘だ…ろ…








有馬は―――――――…




遠藤 恵美の…腕と足を…






食べたと言うのか――――…?






俺は……

凍りつく取調室の中で―――…





初めて…悪魔を見た気がした――――――――――…







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