ペットではなく家族です。
第11章 コウの決別
奈穂子「…」
省吾「…」
合鍵で中に入り
ベッドに奈穂子を寝かせた
疲れているのか奈穂子が起きたのは
明け方近くだった
奈穂子「んんっ、あれっ…私…」
省吾「やっと起きたか」
奈穂子「省吾…」
省吾「昨日、話したくて訪ねたら奈穂子
タクシーで寝ちゃって起きなかったから
運転手さん困ってたぞ」
奈穂子「…ごめんなさい…」
省吾「別にいいよ、コーヒー飲む?」
奈穂子「ありがとう」
慣れた手つきでコーヒーを用意する省吾
省吾は何度もこの部屋に来ていて
ほぼ半同棲だった
本気で結婚を考えていたし省吾以上に
好きになる人なんていない
そう思っていた
だけど好きだけで結婚は出来ない
それが現実だった…
奈穂子「…」
省吾「昨日の事だけどさ」
奈穂子「…ぅんっ」
省吾「奈穂子の仕事に対する思いは俺が
一番わかってたつもりなのに…ごめん…
自分勝手な事言って…」
奈穂子「私こそ…ごめんなさい…」
省吾「だけど俺の気持ちは変わってない
から」
奈穂子「…」