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ペットではなく家族です。

第11章 コウの決別



奈穂子「…」


動物園に出社すると
奈穂子は一目散にコウの元へ向かった

もしかしたらと思ったがコウは
ライオンの姿のまま
眠っていた


奈穂子「…やっぱり夢だったのかな」

孝「おはようございます」

奈穂子「あっ小川君、おはよう」

孝「昨夜は大丈夫でした?」

奈穂子「うんっ、色々ありがとね」

孝「気にしないで下さい」

奈穂子「…」

孝「谷口さん?」

奈穂子「小川君、休憩の時少しいいかな
相談したい事があるんだけど…」

孝「あ、はいっ…」

奈穂子「…」


こんな事
他人に話すべきではない
ましてや同僚に相談する内容でもない

だけど一人で考え決断するには荷が重く
自分と同じように動物に対し
深い愛情を持っている
彼なら…


奈穂子「ごめんね、休憩中なのに」

孝「どうせ一人で過ごす予定だったんで
大丈夫です」

奈穂子「…ありがとう」

孝「それで相談って言うのは?」

奈穂子「…ぅんっ」

孝「…」


彼なら自分が求める答えを出してくれる
自分勝手にもそう思っていた
この時はまだ…


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