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ペットではなく家族です。

第15章 香織の結末



香織「アポロ…」

アポロ「…」


名前を呼ぶと
香織の膝に飛び乗ったアポロ
少し前までこうして膝や手の平に乗せて
遊んであげていた

当たり前の日常的な行為
のはずなのに…


香織「アポロ、ねぇアポロ…」

アポロ「…」

香織「何か喋ってよ、ママって呼んでよ
私の事、ママって呼ん…呼んでよ」

アポロ「…」

香織「…っ…アポロ…」


取り乱す香織

あの日、アポロが人間になった時と同じ
突然、元に戻ったから驚いただけ
きっとすぐに落ち着く
すぐに…


香織「…」

明「ちゃん…香織ちゃん!!」

香織「…えっ」

明「お湯噴いてる!!」

香織「お湯、お湯…あっ!?お湯、熱っ
熱いっ!!」

明「何、考え事?」

香織「…すいません…」


考えないようにしているが
アポロの事が頭から離れず失敗ばかり

誰かに話していたが
非現実的過ぎて話す事は出来ず
答えの出ない問題に頭を悩ませモヤモヤ
する

悩んで失敗し
その事でまた悩んでしまう

負の連鎖…


明「今日はもういいわ」

香織「大丈夫です、私、働けます」

明「いいから、お客様の迷惑になるから
下がりなさい」

香織「…わかりました」

明「…」


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