ペットではなく家族です。
第23章 マリア、アテネの場合
渉「すいません、もう一杯…」
大吉「飲み過ぎだぞ」
渉「うぅ…うるさい…お前はもう帰れよ
俺の事はほっとけ」
大吉「こんな状態でほっとけるわけない
だろう」
渉「…大吉っ」
大吉「ほらっ、帰るぞ」
渉「…」
渉をかかえ店を出た大吉
タクシーに乗り家まで送り届けたが…
大吉「ほらっ、家着いたぞ」
渉「…」
大吉「どうしたんだよ、渉らしくないぞ
何かあったのか?」
渉「…別に」
大吉「話してみろよ、親友だろ?」
渉「…」
大吉「渉?」
悩みがあるなら自分に打ち明けて欲しい
解決する事は出来なくても
聞く事は出来る
だから…
渉「…大吉」
大吉「どうした?」
渉「…」
大吉「え、ちょっと、わ…!?」
渉「ンンッ…」
ネクタイを引っ張られキスされた大吉
酔った勢いでキスしたと思った
だけど渉の表情は…
大吉「ちょっと渉、なに…」
渉「…」
大吉「わ、たる…」
渉「…ッ」
酔った勢いでキスした表情ではなかった
真っ直ぐな目で大吉を見つめ
切ない表情だった
渉「…俺は…俺はずっと…」
大吉「渉…」