甘く、苦く
第71章 にのあい【you to dedicate.】
相葉side
年末年始は忙しい。
暇なんかない。
一般の人たちは、三が日だから
家族で集まったり、
コタツでぬくぬくしたり…。
そんなふうに過ごすんだろうな…。
…でも俺も。
ほんのちょっとだけ。
いつもと違うことがある。
「相葉さーん…卵ないよー。
これじゃあ作れないよ〜」
「ええ…じゃあコンビニいって
買ってくるから」
「大丈夫?疲れてない?
無理しなくていいよ。」
「いーのいーの。
俺が食べたいんだし。」
「…そう?
じゃあ俺も付いていこうかな〜?」
「ん、」
コートを引っ掴んで、
適当に羽織って。
ニノの丸っこい小さな手を
握り締めた。
「寒いから、こうしてていい?」
「…うん、」
「…あ、ニノ」
「んん?」
「財布忘れた」
「アホか!」
「えへへ、ごめぇーん。
ちょっと待ってて〜」
「ついてく」
「そう?」
ニノはどこに行く時だって、
家の中にいたって
俺のあとをついてくる。
ほら、わんちゃんみたいな?
ずっと傍にいる感じ。
「ごめんごめん。
行こっか」
「うん、」
すっかり冷えてしまった
ニノの手を握り締め、
もう真っ暗な道を歩く。
…ていうか、
もう明け方かなぁ…。
「…ニノ、寝なくて平気?」
口数が少なくなったニノに
声を掛ける。
そしたら、体がビクッと動いてから
俺の方を見上げた。
「ごめっ、」
「眠い?ごめんね。
付き合わせちゃって。」
「んーん、平気だよ。
空き時間に寝るから…」
ふわぁって大きな欠伸して、
俺の手を優しく握ってくれた。
年末年始は忙しい。
暇なんかない。
一般の人たちは、三が日だから
家族で集まったり、
コタツでぬくぬくしたり…。
そんなふうに過ごすんだろうな…。
…でも俺も。
ほんのちょっとだけ。
いつもと違うことがある。
「相葉さーん…卵ないよー。
これじゃあ作れないよ〜」
「ええ…じゃあコンビニいって
買ってくるから」
「大丈夫?疲れてない?
無理しなくていいよ。」
「いーのいーの。
俺が食べたいんだし。」
「…そう?
じゃあ俺も付いていこうかな〜?」
「ん、」
コートを引っ掴んで、
適当に羽織って。
ニノの丸っこい小さな手を
握り締めた。
「寒いから、こうしてていい?」
「…うん、」
「…あ、ニノ」
「んん?」
「財布忘れた」
「アホか!」
「えへへ、ごめぇーん。
ちょっと待ってて〜」
「ついてく」
「そう?」
ニノはどこに行く時だって、
家の中にいたって
俺のあとをついてくる。
ほら、わんちゃんみたいな?
ずっと傍にいる感じ。
「ごめんごめん。
行こっか」
「うん、」
すっかり冷えてしまった
ニノの手を握り締め、
もう真っ暗な道を歩く。
…ていうか、
もう明け方かなぁ…。
「…ニノ、寝なくて平気?」
口数が少なくなったニノに
声を掛ける。
そしたら、体がビクッと動いてから
俺の方を見上げた。
「ごめっ、」
「眠い?ごめんね。
付き合わせちゃって。」
「んーん、平気だよ。
空き時間に寝るから…」
ふわぁって大きな欠伸して、
俺の手を優しく握ってくれた。