甘く、苦く
第71章 にのあい【you to dedicate.】
その辺でタクシーを拾って、
ニノの住むマンションの名を告げれば。
あっという間についてしまう。
…こんなにすぐ近くにするでるなら、
もういっそ同棲してもいいかな──…なんて。
ニノだって俺と結婚したっていいって
言ってくれてんだし。
…考えても、いいかな…。
軽快は音を立てて鳴るベル。
ぱたぱたとスリッパを鳴らす音。
…あ、ニノだ。
って、足音でわかるようになった。
これもニノと付き合うようになってから。
昔は気にしてなかったこと、
全部全部気にするようになったんだから。
「あ、あい──…」
「会いたかったぁー…」
急いで玄関のドアを閉めて、
ニノを抱き締めた。
「っ、潰れる!」
「わっ、ごめん!」
ぱっと体を離せば、
ニノの頬がいつもより
紅潮してるのに気が付いた。
「…早く、シよ、」
「っ──…」
俺が言い出したことなのに、
こんなにドキドキするなんて。
「…うん、準備、万端なんだ…?」
「だって、相葉さんが準備してって…」
「っふふ、ニノのやぁーらしい姿、
見たかったけどなぁ…?」
「っ…!!変態っ…」
「んふふ、」
…うん、でもまだこのままでもいいかも。
結婚なんかしなくたって、
すぐ近くにいてくれるだけで
今は満足なんだから。
ー終わりー