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甘く、苦く

第9章 お山 【君の隣で…】

大野side
「リーダー!ねぇ!このあとご飯いかない?」
しょうちゃんが、えへへっと笑いながら近付いてきた。

「しょうさんっ!きょうは私がリーダーとご飯いくんですっ!」
そんなこと一言も言ってないけど....
「うーん、しょうちゃんのほうが先に誘ってくれたからそっちにいくよ。
ごめんね。ニノ、明日いこっか?」
「むぅぅ、しょうがないです。今回だけですよぉ?」
ニノはぷくっと頬を膨らませた。

「リーダっ!いこっか?」
しょうちゃんがにこにことしてる。
「うん。どこいくの?」
えっとね、としょうちゃんがカーナビをつけて探している。
決まってなかったのね。
「あっ!ここにする!ここのシェフと仲良いんだ!」
決まって更ににこにことするしょうちゃん。
かわいいなぁ。

でも、疲れてるのに運転させちゃって悪かったなぁ。
なんて、俺は免許持ってないからしょうがないんだけどね。

「ついたー!」
しょうちゃんがぐいーっとのびをする。
「おつかれさま。」
俺はしょうちゃんの頭を撫でる。
「ふふ、ありがとう。リーダー。」
暗くてよく見えなかったけど、しょうちゃんがとにかく
ご機嫌なことだけはわかった。

猫みたいでかわいいかも.....
なでなですると気持ち良さそうにする。
「さっ!しょうちゃん、ご飯いこっか?」
「えっ?!もう終わり?」
しゅんっとするしょうちゃん。
あら、かわいいこと。
「うん。お腹すいたよ。また、あとででいいかな?」
「う、うん。あとでね!絶対だよ!!」

しょうちゃんにリードされながら、奥の個室へ案内してもらった。

「わぁーー!豪華だねぇー!」
俺がきゃっきゃっと騒いでいると、しょうちゃんが近寄ってきて、
すりすりしながら
「ねぇ、リーダ。なでなでして?」
と上目遣いでお願いしてきた。

「んー?猫みたいだね。しょうちゃんどうしたの
いつもはこんなことしないじゃん?辛いこととかあったの?」
しょうちゃんははぁー、と大きなため息をついて
「リーダーは鈍感だね。」
と言ってきた。
しょうちゃんも十分鈍感だと思うけど....

「あのね、俺、リーダーのこと...」
「ご注文は決まりましたかーー?」
しょうちゃんが何かを言おうとしたとき運悪くシェフが来た。
「あっ、じゃあこのAセット二つください。」
「はい。お時間頂きますね。」
しょうちゃんは不機嫌なままだった。

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