テキストサイズ

甘く、苦く

第61章 櫻葉【恋、始めてみました。】






そう思えば思うほど
相葉くんが遠くなって
いく気がする。

それは、ニノがいるから。


あの二人はしょっちゅう絡むし
楽屋でもいつも近くにいる。


「はぁーあ、」

「櫻井さん、溜め息なんて
珍しいじゃないですか。」

「んー、ちょっと最近
疲れててさ?
歳かなぁ~…笑笑」

「ふふっ。
明日はオフですし…
ゆっくりしてください。」

「うん、そうする。」


にこにこと微笑むマネージャーに
少しだけ元気をもらった。

…だって、ほら。
相葉くんとニノのことで
ちょっと気持ちが沈んでたから。


「では、明後日は9時頃
お迎えに上がります。」

「あっ、待って。
明後日はいいよ。
仕事少ないし車でいく

あのさ、スケジュールの整理、
頼んでもいい?」

「…はいっ!わかりました!」


マネージャーにお礼を告げて
車を降りる。


……あー、やっと我が家に
辿り着いた…。


今日は色々ありすぎて、
なんか疲れた。

体力的にじゃなくて
気力が持たない…


相葉くん…大丈夫かな。
結構顔色悪かったよな…



………よし。


『相葉くん、大丈夫?
明日はよく休んで
早く治してね!』


それだけのメールを
送信するのに
10分はかかった。

本文を打つのは簡単なのに
送信しようとすると
踏み止まってしまう。


……これ、
俺の悪いとこだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ