甘く、苦く
第61章 櫻葉【恋、始めてみました。】
「しょーちゃんも…」
「えっ…?」
「気持ちよく、なろ?」
ちゅっと音を立てて
キスすれば顔が赤くなる目の前の顔。
…俺ばっかり気持ちよくなったって
ダメなんだ。
「くっ、あいばく、」
「んっ、んん、」
翔ちゃん自身の蜜を
ぺろっと舐めて、
上目遣い気味に見上げれば。
余裕がなさそうな
翔ちゃんの顔が見えた。
…もっと。
もっともっと。
「あいばく、ほんと、ダメ…
出ちゃうから…」
「だひへひーよ」
「くぁっ…あ、」
正直、美味しくなんてない。
だって苦いんだもん。
でも、翔ちゃんのって
思ったら、平気。
「はぁ、あっ…く、」
どくんっと脈を打って
口に注がれた熱いの。
「それ、飲んじゃダメだから!
ほら、出して!」
翔ちゃんが俺の口元に
ティッシュを差し出した。
だから、その上にべっと
翔ちゃんのを出した。
「……エロすぎる。」
「えっ、俺出しただけだよ!」
「だから、
それがエロいの!もーっ!」
耳まで赤くさせて
俺を抱きしめる翔ちゃん。