テキストサイズ

タヌキのポエム

第43章 文明開化 其弐

文明開化。
初めて外国の超文明を経験した時、人はえもいわれぬ衝撃を体験した。

人間の人生も文明開化の繰り返しである。

初めて異性の部品を見た時。
自分のモノとは全く違う初めてのモノを目の当たりにした衝撃。
不思議で美しい。
これを見た時が最初の性への目覚めなのかも知れない。


初めて性器が起動した時。
男は初めての勃起、女は初めて濡れる。
自分に何が起こっているのか不安と不思議な衝撃を抱きながら、人は男へ、女への進化を始める。


初めて赤ちゃんがどうやってデキるのかを知った時。この衝撃は何ともいえない。
一時はそんなことをした両親を不潔に思い、その産物たる自分も汚いものに思える。
そんな反抗期も乗り越えて、人は大人になっていく。


初めてのオナニー。
そのえもいわれぬ快感、そして襲いくる罪悪感や虚無感。こんなことはいけないことだ。
それでもやめられない。
この中毒は自分も男として、女として生きていく覚悟を持たせてくれる。
これが、人間なんだ。

初めてのキス。
甘い?甘酸っぱい?直前に食べたものの味?
するまではいろんな妄想をしてきたけど、してみるともっとずっと至福の味でした。
だって、好きな人の味なんだもん。
だからね、キスって相手によって味が違うんだよ。


初めてのセックス。
夢にまで見たセックスなんだけど、初めての時ってすっごく緊張してて、精一杯なのが本当のところかな。セックスの素晴らしさを実感するのは二回目、三回目の時なんだよ。
好きな人とのセックスだから、何回ヤッても初めての時のような衝撃は色褪せることはない。


そして、初めてセックスする時はコンドームも初めて見ることになる。
それは、えもいわれぬ不思議な物体である。
なかなか上手く装着できなくて焦ったり。
人は新たな道具を見る度に不思議に思うものであるが、初めて見るコンドームの不思議さは格別なものがある。


不思議、衝撃・・・いろんな感情が駆け巡る文明開化を繰り返して人は生きていく。
文明開化が起きる度に頭の中、心の中に開花するものがある。

それは・・・人間の中にある宝物なんだね。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ